映画「リリーのすべて」

こんにちは。代表のハルカです。
24日(日)に映画「リリーのすべて(原題:The Danish Girl)」のリベンジを果たしてきました‼︎今回は法政RainbowBirdsのイベントではなく、自分1人で行ってきました。
※ネタバレ要素を含むかもしれません。あらかじめご了承ください。
 
 
映画「リリーのすべて」は世界で初めて性別適合手術(性転換手術とも言われます)を受けて男性であるアイナー・ヴェイナーから女性であるリリー・エルベへの性転換を追った物語です。今でこそ、性同一性障害や性別違和といった言葉が存在しますが、この映画の舞台となっている20世紀前半にはこのような言葉が存在しなかったために、医者からは精神病と診断され、放射線治療が行われたり、放射線治療で治らなければ医者に見放されたりなど、過酷な状況であったことを突き付けられました。日常生活では、周りの理解を得られずに、自分の殻に閉じこもり、みるみる痩せ細っていく主人公リリーを見ているのが心苦しかった……。
    
そんな中、リリーは「自分は女性だ」という感情を理解してくれる産婦人科医ヴァルネクロスと出会い、ヴァルネクロスによる性別適合手術(ここでは男性器の切除)を受けます。世界で初めて行われる手術による痛みを乗り越えて、リリーとして社会に出て行くようになった。段々とリリーの表情が生き生きとした女性の顔になっていくのが見て取れました。
    
このアイナーからリリーへの生まれ変わりをずっと側で見守っていたのはアイナーの妻、ゲルダ・ヴェイナーでした。ゲルダはアイナーの妻、つまりはゲルダはアイナーを愛していました。でも、そのアイナーは段々といなくなっていく寂しさ。それを乗り越えて、リリーを支えるゲルダの愛情の深さには心を打たれました。ゲルダのそんな心境がわかっていたから、でもリリーの「アイナーは死んだ」「結婚したい」という言葉にはやり切れないものを感じました。
  
  
性同一性障害当事者の苦悩が痛いほどに感じられる映画だったと思います。およそ90年前のヨーロッパが舞台で、人々の理解もないような時代だからしょうがない?今はそんなに苦悩はないんじゃないの?時代は違えど、苦悩の中身は違えど、現代を生きる当事者も同じように苦しんでいる人が多くいるのではないでしょうか。自分自身も当事者の1人ですが、今までリリーと同じような苦悩にも、リリーとはまた別の苦悩にも直面してきました。当時より医学も進歩し、人々の理解も得られるようになってきている世の中なのに、なぜ苦悩が消えないのか。どうすれば当事者も非当事者も自分らしく幸せに生きていけるのか。これはリリーが遺した我々への課題なのかもしれません。

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